次元定理とは

次元定理について説明します。

次元定理

次元定理とは $V, W$ を体 $K$ 上の有限次元ベクトル空間、 $f: V \to W$ を線形写像としたとき
$\rm{dim} V - \rm{dim} \rm{Ker} f = \rm{dim} \rm{Im} f$
が成り立つことをいいます。

次元定理の証明

次元定理はベクトル空間における準同型定理の系として得られます。
線形写像はベクトル空間における $K$ -準同型写像であるので、線形写像 $f$ に準同型定理を用いると
$V/\rm{Ker}f \simeq \rm{Im}f.$
また、ベクトル空間においては部分空間で割ると部分空間の次元を引き算したものに同型になるので
$V/\rm{Ker}f \simeq K^{\rm{dim} V - \rm{dim} \rm{Ker}f}.$
よって、
$K^{\rm{dim} V - \rm{dim} \rm{Ker}f}\simeq V/\rm{Ker}f \simeq \rm{Im}f \simeq K^{\rm{dim}\rm{Im}f}.$
したがって、 $K^{\rm{dim} V - \rm{dim} \rm{Ker}f}\simeq K^{\rm{dim}\rm{Im}f$ より
$\rm{dim} V - \rm{dim} \rm{Ker}f = \rm{dim}\rm{Im}f$ ∎

次元定理イメージ図
イメージ図