対称変換の表現行列

直線・平面に関する対称変換の表現行列の求め方

対称変換の表現行列の求め方

における原点を通る平面に関する対称変換 の表現行列 を求めてみましょう。

原点を通る平面は、 の2次元の部分空間となります。これを とおくと

と表せます。

ここで は部分空間 への直交射影で、 が一次元部分空間の場合 を用いて

と書けます。( は転置を表す。)

恒等写像を で表すと であるので、




となります。

いま は2次元の部分空間であるので、その直交補空間 は1次元となっています。よって を用いると

と表せ、 の表現行列は

であることが分かりました。

特に、 として単位ベクトルをとれば となります。

例題

R^3 において平面 x+2y-z=0 に関する対称変換 f の標準基底における表現行列 A を求めよ

解答

この平面を とおくと
より、

となるので、

とおけば、 f の標準基底における表現行列 A



です。

求めた表現行列に少し注目してみるとこれは対称行列になっています。実は、対称変換の正規直交基底に関する表現行列は対称行列になります。もしかしたら検算の際に役立つかもしれません。

R^2 における直線に関する対称変換についても同様にできます。

練習問題(1)

R^2 において直線 y=2x に関する対称変換 f の標準基底に関する表現行列 A を求めよ

(1)の解答はここをクリック

練習問題(2)

R^3 において直線 に関する対称変換 f の標準基底に関する表現行列 A を求めよ

(2)の解答はここをクリック