核空間 像空間
核空間 像空間は線形写像に対して決まる、ある部分空間のことであり、核空間は定義域の部分空間、像空間は値域の部分空間のひとつです。 これらは、写像の重要な性質である単射・全射と深い関係があります。
核空間 像空間とは
をベクトル空間、 を線形写像とします。
このとき、
の定義域
の部分集合
を
の核空間(kernel カーネル)といい、
と書きます。
↑核空間の図
また、
の値域
の部分集合
を
の像空間(image イメージ)といい、
と書きます。
↑像空間の図
核空間、像空間はそれぞれ の部分空間となっています。
核空間 像空間と単射 全射の関係
を線形写像としたとき、以下の関係が成り立ちます。
- が単射
- が全射
全射については全射の定義通りですが、ここで注目して欲しいのは単射の方です。
本来なら だけではなく、全ての の引き戻し が一点集合であることを確かめなければならないのですが、線形写像は、その線形性という良い性質により を調べるだけで単射かどうか分かってしまいます。
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