行列の例
数ベクトル空間のあいだの線形写像を表したものである行列。 今回は、よく使われる基本的な2次正方行列の具体例を挙げてみます。
単位行列
まず、最初に挙げるのは単位行列です。これは、よく
または
と書かれるもので2次正方行列の場合は
と定義されます。(このサイトでは
を採用します。)
これは
を
へ送り
を
へ送るので行くもとと行き先が変わらない写像を表します。
(そのような写像を恒等写像といいます。)
零行列
零行列は普通
(オー)と書かれる行列で、
と定義されます。
この行列は を共に へ送ります。つまり、これは全ての元をゼロベクトル へ送る写像を表しています。
回転行列
回転行列は
で表される行列です。
これは
を平面とみなしたときに、平面上での
回転を表す行列です。
実際、この行列は
を
へ送り、
を
へ送ります。
次のページでは行列の初歩的な計算方法である行列の和について説明します。
Next : 行列の和とは