線形代数
線形代数とは
線形代数とは、高次元の真っ直ぐな空間であるベクトル空間と、ベクトル空間の間の演算を保つような写像(線形写像)を扱うための学問です。
曲がった空間でも、局所的に見れば平らであるとみなすことができます。ぐねぐねと曲がった難しいものでも直線や平面のような平らなもので近似すれば扱いやすくなります(これが微分の考え方です)。その扱いやすくなったモデルである直線や平面、またその高次元への一般化である超平面を実際にどう扱えば良いのかを教えてくれるのが線形代数学です。また、はじめから平らな空間を扱いたいのならもちろん線形代数学で扱うことが出来ます。
線形代数はもともと連立方程式の解法の研究から生まれたもので、ベクトル空間における良い性質である線形性という性質を持つ写像(線形写像)について考える学問のことです。行列や行列式というものを駆使して、線形性を持つ写像をエレガントに表現し扱うことができます。
線形代数は連立方程式という多くの文字を扱う分野の研究から生まれたので、多くの文字を扱うときにひじょうに役に立ちます。世の中にある現象は大体一つの要因ではなくたくさんの要因から起こっています。多くの要因を同時に考える、すなわち多くの文字を扱うとなれば線形代数の考え方がひじょうに役に立ちます。ちなみに、大学で線形代数と共に学ぶことの多い解析学でも複数の文字を扱う多変数解析では線形代数が活躍します。
線形代数は線形性という性質を持つ写像について考える学問とのことですが線形性や、写像について詳しくは次のページ以降に解説します。
今回のまとめ
- 線形代数はたくさんの文字を扱うときに活躍する!
- 線形代数は線形性を持つ写像を扱う学問である。
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