部分空間
部分空間とは、あるベクトル空間 の部分集合 で、ベクトル空間となっているもののことをいいます。
部分空間の例
いま、数ベクトル空間で例を一つ考えてみます。
としてその部分集合
を
とすると
は
上のベクトル空間となっています。すなわち
は
の部分空間です。
部分空間でないもの例
とするとこれは
上のベクトル空間ですが、その部分集合
を
とすると、これはベクトル空間ではありません。
なぜならば、 ですが となり、足し算が の中だけで完結しないからです。
足し算が完結していることを専門用語で"閉じている"といいます。これを使うと今回の場合は、 「 は和に関して閉じていないので部分空間でない」と述べることができます。
部分空間かどうかをチェックする方法
ベクトル空間 の部分集合 をとったとき、そもそも はベクトル空間 に含まれているのですから、分配法則などの演算法則は必ず成り立ちます。
そこで がベクトル空間になっているかどうかを調べるには以下の3つの条件だけ調べればOKです。
これら3つの条件が成り立つことが、ベクトル空間 の部分集合 がベクトル空間であるための必要十分条件であり、こちらの方が条件を確かめるのが簡単なのでこれを部分空間の定義とすることが一般的です。
↓部分空間かどうかを判定する例題はこちら
部分空間かどうかの判定
いくつかのベクトルから生成される部分空間
をベクトル空間、 として を含むような最小の部分空間を により生成される部分空間といい と書きます。
の部分集合
に
が属するとき、そのスカラー倍や和も属していなければならないことに注意すると、
となります。また、2つのベクトル
を含む最小の部分空間は
となります。3つ以上の場合も同様です。
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